<moily誕生のものがたり>
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moilyは、池宮が2014年にカンボジアに入ったことからスタートします。 それまで私は、単独で世界の貧困地域を周り、ボランティアを行なっていました。

現地の中に入り込み、その土地の人たちと仲良くなればなるほど貧困問題は人ごとでなくなっていきました。
「身体を売らなけらば生活ができない同い年の友人」
「お手伝いさんになるため、学校をやめていく小学校の生徒たち」
なんとか自分に力になれることはないか。。。日々悶々と考える毎日でした。

また、ボランティアだけでは解決できない問題にも打ち当たり、支援慣れをしている現場も何度も見ました。

「持続可能な方法で、その国や村の力になるようなことで、社会問題を解決したい!」
と2010年に強く思い帰国しました。


ネパール学生写真

その後3年の準備期間を経て、カンボジアに入りました。

まだ埋もれている手仕事で何かその国の力になるものはないか??
と自転車で真っ黒になりながらカンボジア中を走り回りました。




そのように走り回っている中、たまたま目についたのが、現地で野菜を売る時に使われているカゴでした。
「この形をもう少しアレンジして、品質もあげたら可愛いかもしれない!
それで一緒に収入も作れるんじゃないか?」
そんな思いつきから、moilyのかごづくりが始まりました。




何度も何度もカゴ編みの村に通い、少しずつ職人さんと打ち解けていきました。
今ではお互いの状況に合わせ、困った時は助け合いながらものづくりを行えている本当に良い関係です。




moilyでは収入を作るだけでなく、その村の強さにするもの作りを行いたいため、買取のチェックをとても厳しくしています。

色や形、素材の始末の仕方、素材の整え方など多くの決まりがあります。
その代わり全てをクリアしたものは通常の何倍かの値段で買取を行うことで
カンボジアの中でも高品質のカゴを作り出しています。

もちろんこのようにするにあたり、職人さんと何度も衝突しました。

時には泣き出してしまったり、怒って辞めてしまったりした職人さんもいました。

伝えるこちらもみんなのことが大好きなので、本当は言いたくないのですが、
心を鬼にして何度も何度も伝え、少しずつ品質が改善されていきました。

今では新しくカゴ編みを覚える若い子が出てきたり、他の村の職人さんもmoilyでかごづくりをしたいと訪ねてくるようになりました。

また、村の収入も上がり、出稼ぎに出かける人はぐんと減りました。




moilyのカゴはひとつひとつに作り手の名前をつけています。

手編みで作るカゴは、必ず人らしさが出る面白さがあります。

いくつかの厳しい品質チェックをクリアしてきたカゴでも、カーブの加減や、素材の選び方、編む時の力の入れ加減、絶対に同じものはありません。



moilyのかごは
moilyスタッフと、カンボジアの職人さんとで長い時間をかけ作ってきた絆の結晶です。

ぜひ、カゴを手に取る時、遠いカンボジアで、職人さんたちが笑いながら、そして隣で子どもをあやしながら、穏やかにカゴを編んでいる様子を想像し、少しでもカンボジアに思いを馳せていただけたら嬉しいです。